咬み合わせの異常
咬み合わせの異常は全身に現れます、それは全身のバランスを保つうえで重要な働きをしているからです。
咬み合せは、全身の筋肉や骨に影響を及ぼしているのです。
物を噛む時には、咬筋や側頭筋などの咀嚼筋を使います、咬み合わせが悪くなり長期間片側だけで咬んでいると咀嚼筋のバランスが悪くなり、痛みが出てきます。
また咬み合わせの異常は咀嚼筋と繋がっている首の筋肉にも影響してきます、さらに胸や肩、背中の筋肉にまで及んできます。
骨の影響では、顎の骨は全身と繋がっているので、頭蓋骨→頚椎→肩甲骨さらに頚椎→胸椎→腰椎→仙骨(骨盤)の順に影響しています。
ですから咬み合わせが悪くなればゆがみが骨盤まで及び全身に広がり、いろいろな症状を引き起こしてしまうのです。
もちろん、すべての症状が、かみ合わせからくるのではありません、その逆に、腰を痛めてそれが原因でかみ合わせの異常をきたす事もあります、この場合は、いくら口の中を調節しても、またすぐに戻ってしまいます。もともとの原因が腰にあるのですからこの場合は、まず腰から治療しなくてはいけませんね。
咬み合わせの異常2(原因は?)
それでは、なぜ咬み合わせの異常は起こるのでしょうか?
色々な原因があります。
ひとつは生活習慣です。
いつも頬づえを付いていたり、寝るときに同じ方を向いて横向きで寝ていたり、いつも同じように足を組んでいたり、鞄を片方だけにかけていたりすると徐々に身体をゆがませてしまいそれが原因になります。
それと、片側咬みです。
物を食べるときに、どうしても咬みやすい方で咬んでしまいますが出来れば左右均等になるように咬むのが理想です。
もし右側ばかりで咬んでいると、右の咀嚼筋ばかりが発達してしまい左の咀嚼筋とのバランスが崩れそれだけで顔が歪んでしまいます。
外傷や打撲での起こりますが、残念ながら歯科治療でも起こってしまいます。
咬み合わせの異常3(歯科治療で)
咬み合わせの異常2で、歯科治療が原因の一つになると書きましたが、それは、一本の小さな虫歯の治療からでも起こります。
皆さんは、歯科治療を受けて金属の詰め物や被せ物を付けたときすぐに違和感なくすぐに食べれましたか?
最近は、詰め物をセットする時チェアーを倒され寝かされた状態で赤い紙をカチカチ咬んだり、顎を左右に動かして高い所を削って合わせていると思いますが、その時は合っていると思っていても治療が終わって、会計をしている時やそれからはじめて食事をした時に今までと同じに咬めなかった事は有りませんか?
実はセットする時の姿勢が大切なのです、咬み合わせは立った時、座った時、寝た時と微妙に変化するのです。
もっと言えば思い切り上を向いた時とまっすぐ正面を向いた時と下を向いたときでも変わります(皆さん上を向いてカチカチ下を向いてカチカチと咬んで見てください)
ですからセットする時は寝たままだけではなく、少なくとも座ったときも咬み合わせの調整をしなえればいけませんね。
もし咬み合わせが悪いままですと、人間の顎はそこを避けて咬むようになるのです。
昔は少しぐらい違和感が有っても「そのうち慣れますよ」とよく言われていましたが、そのまま放置すると、慣れるのではなくて、体が無意識に今までとは違った所で咬むようになり、それによって下顎の偏位(ズレ)を起こしそれが、咬み合わせの異常になり体の後々の不定愁訴の原因になるかも知れません。
このズレの厄介なところはその影響が治療してすぐに出ないところです、もし半年後に身体に変化が起きても、それが歯の治療によって起きたものだとは、患者さんは思わないですよね、とくに咬んだ時に高いと思ったときは、しっかり調整してもらって下さい。(逆に低すぎても困りますが)